Yixianosaurus longimanus のマニラプトル類の中での進化の意義

Yixianosaurus longimanus は、2001年、中国科学院古脊椎動物与古人類研究所が遼寧省西部で行った発掘で発見されたものです。2003年、徐星らにより記載されました。

Yixianosaurus longimanus
Yixianosaurus longimanus

XU Xing, WANG Xiao Lin(2003)

A NEW MANIRAPTRAN DINOSAUR FROM THE EARLY CRETACEOUS YIXIAN FORMATION OF WESTREN LIAONING

論文

産地と層準:朝陽近郊の錦州地区義県頭台郷王家溝
義県層下部、白亜紀前期

 Yixianosaurus longimanus gen. et sp. nov. 
 長掌義県竜(新属新種)と命名されています。

  完模式標本(IVPP V 12638)は左右肩帯から指末節骨にいたるもので、羽毛の跡も残っています。遼西産9番目の羽毛恐竜になります。

 その分類基準となる特徴には、以下のものが含まれます。
 手は上腕骨の140%の長さ、手第二指第二指節は第二中手骨より長い、手第三指第三指節は第三指第一指節の244%の長さ、および第三指第二指節は近位腹側に突起(heel)がある。

ここまでは記載論文のおさらいでした。この恐竜の系統的位置づけについて、原記載論文では、明確な系統分析なしに、マニラプトル類の中では、派生したものほど手や指が長くなる傾向があることから、派生した仲間だろうとしていました。一方、今回の論文では、系統分析の上、Yixianosaurus を、 Alverzsaurus、 テリジノサウルス類(Therizinosauria)、Alvarezsaurus を除いたアルヴァレツサウルス上科、オヴィラプトル類(Oviraptorosauria)及び原鳥類(Paraves)を含む、派生したマニラプトル類とともに多分枝状に分かれる、基幹的マニラプトル類としています。

Yixianosaurus に原始的な特徴と派生した特徴がモザイク状に見られることは、マニラプトル類の前肢の進化がこれまで考えられてきたより、はるかに複雑であったことを示唆するとしています。太い前肢や強く湾曲し、先のとがった末節骨から、Yixianosaurus は捕食性だったことが示唆されるとしています。これらの特徴は、Tanycolagreus および Coelurus と同様であり、これらからテリジノサウルス類やオヴィラプトル類に移行する形態的移行状態なのかもしれないとしています。

その大型の片状正羽は、外皮構造物の起源がコエルロサウルス類の中でこれまで報告されてきたよりさらに古いものであるかもしれないことを示す。

最後に、太く長い前肢から、同じ場所に生息していた小型獣脚類から推定されるのとは異なる生態的役割を果たしていたことが示唆され、熱河生物群の小型獣脚類の間でニッチの分割があったという考えが支持されるとしています。

 

 

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