2011年

8月

21日

日本の恐竜が目覚めた日

2011820日、石川県白山市松任文化会館で開催された、白山手取川ジオパーク構想シンポジウムセッションⅡ 日本の恐竜が目覚めた日に行ってきました。

山口一男氏の発表
山口一男氏の発表

 白山市長の挨拶後、まず、日本各地で恐竜化石が産出している各地から、事例発表がありました。発表者は、石川県白山市から山口一男氏(石川県白山ろく民俗資料館長・白山手取り層群化石調査団副団長) 、福井県勝山市から松村誠一氏(勝山市副市長・勝山ジオパーク推進協議会会長) 、岐阜県高山市から下島志津夫氏(高山市荘川支所地域振興課職員) 、熊本県御船町から池上直樹氏(御船町恐竜博物館主任学芸員) 、兵庫県丹波市から田原弘義氏(丹波市産業経済部恐竜を活かしたまちづくり課職員)、和歌山県湯浅町から小原正顕氏(和歌山県立自然博物館学芸員)の6名です。それぞれ、地域の実情などを発表しました。

 

 山口一男氏は、昭和57年の夏、当時中学生だった松田亜規さんが桑島化石壁から転石をみつけ、持ち帰った石が割れたときに化石を見つけた。さらに3年後いとこが夏休みの研究材料としてその化石を借り、学校の先生からいろいろの偶然が重なり、最終的に恐竜の歯とわかった経緯を説明しました。当時、日本で恐竜化石が発見されていたのは他に3箇所しかなかったが、桑島化石壁ではその後、次々と化石標本見つかり、地元だけでなく全国で化石発掘の機運が高まったことなど、白山市の化石調査の歩みなどを発表しました。

松村誠一氏の発表
松村誠一氏の発表

 松村氏は、1989年から始まり、フクイラプトル、フクイサウルスの記載にいたった福井県の恐竜化石調査の歴史、化石からわかったこと、恐竜渓谷勝山ジオパークの概要や恐竜博物館、化石発掘体験、ジオパーク学習支援事業など現状、さらに勝山の街に観光客を誘致するための、恐竜にちなんだ地域産品や事業の数々を発表しました。

下島氏の発表
下島氏の発表

下島氏は、白山周辺地域からはじめ、荘川桜ほか高山市荘川町の紹介、アマチュア研究者による恐竜化石発見。それを村おこしにどう生かすか悩み、地域の盛り上がりや公的機関の調査もやがて低下したこと、しかし、アマチュア研究者の活躍や学校での化石特別授業実施、修学旅行でカナダのロイヤルティレル博物館を訪問した事例、今年で13回になる荘川化石フォーラム、フォーラムの化石発掘体験で発見された貴重な化石の紹介、地域における活動の担い手の育成などを発表しました。

池上氏の発表
池上氏の発表

池上氏は、御船町の紹介から始め、1979年のミフネリュウ発見から始まる同町の恐竜化石発見史、重機を使った発掘活動、恐竜のほか発見された脊椎動物化石。発掘調査と収集活動がなぜ大切なのか。御船恐竜博物館の紹介。博物館活動を通し、町の活性化につなげること、さらに新博物館の構想まで至っている現状を発表しました。

田原氏の発表
田原氏の発表

田原氏は、丹波市の恐竜化石発掘現場の紹介から始め、タンバリュウ発掘の歩み、マスコットキャラクター「ちーたん」による交流活動やマスコミ登場、展示施設「ちーたんの館」紹介、住民の恐竜関係活動など幅広い活動をしている現状を発表しました。

小原氏の発表
小原氏の発表

小原氏は、自分の就職面接で、「和歌山から恐竜を出す」と言ったことから始め、そのために恐竜の出そうな地層に目星をつけ、博物館行事と合わせ「恐竜をさがせ!」という化石発掘体験活動を続ける一方、自身でもクリーニングを続け、ついに1本の恐竜歯化石を出すに至った経緯を発表しました。

パネルディスカッションのメンバー
パネルディスカッションのメンバー

休憩を挟んで後半はパネルディスカッション。真鍋真国立科学博物館研究主幹がコーディネーターをつとめ、ヒサクニヒコ(漫画家・恐竜復元画家)、松田亜規(桑島化石壁の恐竜化石第一発見者) 、伊左治鎮司(千葉県立中央博物館定石研究員・白山市手取層群化石調査団団長)の諸氏と前半の事例発表者が壇上に並びました。

まず、伊左治鎮司氏からは桑島化石調査団の活動成果である化石標本の紹介、一般募集する桑島化石調査隊の紹介などがありました。

次に真鍋先生から、前半で言い足りなかったことはないかと水を向けられ、指名された発表者から順に話し出しました。

松村氏からは「恐竜水」という、勝山の地下水を汲み上げたミネラルウォーターの紹介、下島氏からは荘川化石フォーラムを本物志向で研究者の方々の協力を得、今後も続けていければという思いが吐露されました。池上氏からは新博物館建設への住民を含めた活動の高まりなどが、付け加えられました。

意外に思ったのが、松田亜規氏の発言。恐竜が本当に存在していたとは信じられないというのです。しかし、これは科学的に実証していくことの大切さを知らせるための思いからかなと感じられました。

ほかの方々からも興味深いお話があり、時間いっぱいまでディスカッションは続きました。

95日には、日本ジオパークに登録されるかどうかの結果で出るそうです。貴重な化石標本を産出する白山手取川ジオパークが登録されることを願ってやみません。

リンク

恐竜パンテオン本サイト

 

グラファイトダイナソー

 山本聖士さんのサイト

 

「恐竜漫画描いてます」

 所 十三さんのブログ

 

半紙半生

 森本はつえさんのサイト