2012年

1月

14日

マジュンガサウルスの前肢、明らかに

マジュンガサウルスはマダガスカル産のアベリサウルス科恐竜です。以前はマジュンガトルスと呼ばれていました。共食いの跡が見つかったことも知られています。

 アベリサウルス科恐竜の前肢は非常に縮小していますが、これまでマジュンガサウルスの前肢についてはよくわかっていませんでした。

マジュンガサウルス肩帯・前肢復元
マジュンガサウルス肩帯・前肢復元

 Stony Brook 大のSara Burch らは、新たに産出したMajungasaurus crenatissimus の標本により、型帯および前肢を復元し、詳細を明らかにしました。

橈骨と尺骨は、上腕骨のおよそ4分の1の長さしかありませんが、非常に太く頑丈です。またその遠位・近位の両関節面は、比較的細い骨幹に比べ、非常に広がっています。手には4本の指があり、それぞれ短い中手骨と1(第1・第4指)指節、2(第2・第3指)指節からなっています。ということは、末節骨とそれを覆う鋭い爪はなかったことになります。骨化した手根骨はありません。上腕および前腕のプロポーションは頑丈なもので、同じアベリサウルス科のうち Aucasaurus よりCarnotaurus に似通ったものになっています。

 さて、ではこのようなプロポーションに縮小する前肢は獣脚類に共通なものかというと、決してそうではありません。鳥類につながる系統の獣脚類では前肢のプロポーションを保ったまま縮小する傾向があるとともに、指が少なくなる傾向があります。ケラトサウルス類では前肢はかなり縮小しさらにより前腕が縮小する傾向がありますが、Majungasaurus のように上腕の4分の1まで縮小し太くなっている例はありません。Majungasaurus の前肢形態の研究は、どのように原始的な獣脚類からこのような前肢が進化してきたのかという次のステップにつながるものになるそうです。

Sara H. Burcha & Matthew T. Carrano(2012)

An articulated pectoral girdle and forelimb of the abelisaurid theropod Majungasaurus crenatissimus from the Late Cretaceous of Madagascar

Journal of Vertebrate Paleontology

Volume 32, Issue 1, 2012 pp.1-16 DOI:10.1080/02724634.2012.622027

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米古脊椎動物学会プレスリリース

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