コモドオオトカゲの摂食装置における非常に急速な歯の発達と個体発生的変化

解説

 この論文は、コモドオオトカゲの歯の形や生え変わり方について調べたものです。コモドオオトカゲは、世界で一番大きなトカゲで、インドネシアの島に住んでいます。このトカゲの歯は、恐竜の一種である肉食恐竜ととても似ていることがわかりました。肉食恐竜の歯は、刃のように鋭くて、両側にギザギザがあります。このギザギザは、歯の表面だけでなく、中の象牙質にもあるので、とても強くて折れにくいです。コモドオオトカゲの歯も、同じようにギザギザがあります。このギザギザは、獲物の肉を引き裂くのに役立ちます。また、コモドオオトカゲの歯は、とても早く生え変わります。約40日で新しい歯ができるのです。そして、一つの歯の場所には、最大で5本の新しい歯が待機しています。これは、歯がすり減ったり、折れたりしても、すぐに新しい歯に変わることを意味します。コモドオオトカゲの歯は、成長するにつれて、形や大きさが変わります。子どもの頃は、歯が小さくて、ギザギザが少ないです。子どもの頃は、木に登って虫や小さいトカゲを食べます。大人になると、歯が大きくて、ギザギザが多くなります。大人になると、地上で大きな動物を狩ります。このように、コモドオオトカゲの歯は、年齢や食べ物に合わせて変化します。

 

 この研究の意義は、コモドオオトカゲが、恐竜や古代の爬虫類と共通の特徴を持っていることを示しているということです。コモドオオトカゲは、現在生きているトカゲの中で、唯一、肉食恐竜と同じような歯を持っています。これは、コモドオオトカゲが、肉食恐竜や古代の爬虫類の生活や食べ方について、わかりやすいモデルになるということです。コモドオオトカゲの歯の形や生え変わり方を調べることで、恐竜や古代の爬虫類の歯の進化や機能について、新しい知識を得ることができます。また、コモドオオトカゲの歯は、トカゲの中でもとても特殊で、舌の使い方や歯の適応について、多様性や複雑さを示しています。コモドオオトカゲの歯は、生物の歯の進化や多様性について、興味深い事例になります。

 

ニュース phys.org

 

要旨

 絶滅した有羊膜類の歯の発生と交換のパターンは、多くの関心を集めてきた。これらの中でも、古生代の捕食性単弓類や、鋭く鋸歯状の切縁を持つ真のジフォドンティ(エナメル質のキャップの下に象牙質の芯を持つ鋸歯状の歯)を持つ中生代の獣脚類恐竜が有名である。コモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)は、真のジフォドンティを持つ唯一の現生の陸生脊椎動物であり、その行動がほとんど分からない絶滅した分類群の摂食行動に関する新たな知見を得るための理想的なモデル生物である。我々は、この絶滅危惧種である頂点捕食者の詳細な比較歯学的解析を、完全な頭骨のコンピュータ断層撮影(CT)と組み合わせて行った。この研究により、既知の摂食行動を持つ最大の現生トカゲの歯の形態、発生、交換のパターンを再構築することができ、その結果を行動がほとんど分からない絶滅した分類群に適用することができた。我々は、V. komodoensisの歯の形態に驚くべき発生的変化があることを発見した。幼体は、歯の特殊化が少なく、真のジフォドンティを欠き、樹上性で主に昆虫を食べるのに対し、成体は強く発達したジフォドンティを持ち、陸上の頂点捕食者であり、肉剥ぎの摂食行動を行う。さらに、V. komodoensisのジフォドンティの歯には、獣脚類恐竜にしか見られなかった真のアンプラ(鋸歯状を強化するための隣接する鋸歯の間の折り畳み)が存在することが分かった。Varanusの他の種や、連続する遠縁な外群分類群との比較により、歯の特徴や適応の複雑なパターンが明らかになった。しかし、コモドオオトカゲは、有鱗類の中でこの驚くべき歯の革新と特殊化を持つ唯一の種である。

論文オープン

Maho T, Reisz RR (2024) Exceptionally rapid tooth development and ontogenetic changes in the feeding apparatus of the Komodo dragon. PLoS ONE 19(2): e0295002. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0295002

 

論文要約

 この論文は、コモドオオトカゲの歯の発達と摂食器官の発生的変化について、骨格化標本と脱落歯の組織学的分析と全頭部のCTスキャンを組み合わせて調べたものである。以下は各章の要約である。

 

●Introduction(序論): コモドオオトカゲは、真のジフオドンティ(歯の切縁にエナメル質と象牙質の芯からなる鋸歯があること)を持つ唯一の現生陸生脊椎動物である。この特徴は、絶滅した肉食性の単弓類や獣脚類恐竜にも見られるが、その起源や進化は不明である。コモドオオトカゲは、幼体では昆虫やトカゲを食べる樹上性であるが、成体では大型哺乳類を食べる地上性の頂点捕食者になるという発生的な食性の変化を示す。この変化に伴って、歯の形態や発達、交換のパターンにも変化があるかどうかを検証することが本研究の目的である。

 

●Materials and methods(材料と方法): コモドオオトカゲの成体と幼体の頭骨や脱落歯を、他のオオトカゲ科や外群の有鱗類の標本と比較して観察した。歯の形態はデジタル顕微鏡で撮影し、歯の高さや鋸歯の数や長さなどの測定値を記録した。歯の発達と交換の速度は、歯の横断面を作製し、象牙質に見られる毎日形成されるフォン・エブナー線の数を数えることで推定した。また、CTスキャンを用いて、歯の配置や交換のパターンを3次元的に再構成した。

 

●Results(結果): コモドオオトカゲの成体の歯は、強く側方に圧縮され、後方に湾曲し、切縁にはエナメル質と象牙質の芯からなる大きな鋸歯があることが分かった。これらの鋸歯には、隣接する鋸歯の間に空洞があることが組織学的に確認された。これは、獣脚類恐竜にも見られるインターデンタルフォールド(歯間折り畳み)と呼ばれる構造である。幼体の歯は、成体よりも単純で、鋸歯は小さく、象牙質の芯はないことが分かった。コモドオオトカゲは、一つの歯の位置に最大で5本の交換歯を持ち、非常に速い交換速度(約40日)を示した。これは、他のオオトカゲ科や外群の有鱗類と比べても顕著に速いことが分かった。

 

●Discussion(議論): コモドオオトカゲの歯の形態と発達は、その摂食行動と密接に関連していることが示唆された。成体のジフオドンティは、獲物の柔らかい組織を切り裂くのに適した構造であり、幼体の単純な歯は、小さな獲物を刺すのに適した構造であると考えられる。また、速い交換速度と多数の交換歯は、歯の摩耗や損傷に対応するための適応である可能性がある。コモドオオトカゲの歯の特徴は、絶滅した肉食性単弓類や獣脚類との類似点や相違点を明らかにすることで、歯の進化や摂食戦略の多様化について新たな知見を提供する。

 

リンク

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