大気中の酸素濃度急上昇は23億年前

地球史の中で、大気中の酸素濃度が現在の100分の1以上まで上昇したのは、約23億年前、大氷河期の終わりに起こったと、東京大学の関根康人講師らのグループが発表しました。論文は、ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載されています。

24億年前から21億年前頃の原生代初期に、ヒューロニアン氷河期という、全球的な氷河期があったそうです。その氷河期が始まった原因や終わった原因は、まだ不明ですが、終わりとともに酸素濃度の急上昇があったことがわかりました。

 

関根講師らのグループは、カナダ・オンタリオ州の地質調査を実施し、堆積物試料の分析を行いました。その結果、大規模氷河期があったことを示す約23億年前の氷河性堆積物と、その直上の温室気候を示す炭酸塩岩の境界の地層から、レア・アースの一種である、白金族元素、オスミウムの濃度と同位体比が上昇するシグナルを発見したということです。オスミウムは酸素濃度が上昇すると、イオンとなり水に溶け、海底の地層中に堆積するとうことです。

 

この現象の原因として、氷河期が終わり氷が溶けると、急激な温暖化により大陸の化学風化作用が進み、リンが海洋に供給されるため、酸素を放出するシアノバクテリアが大繁栄するという図式になるそうです。さらに、酸素濃度が上昇するとメタンなどの強力な温室効果ガスは酸化され、濃度低下になり、それが再びの大氷河期をもたらす、というサイクルが数回、酸素濃度が十分高くなるまで起こったのだそうです。

東京大学プレスリリース 日本経済新聞 NHK ネイチャーアジアハイライト

Yasuhito Sekine, Katsuhiko Suzuki, Ryoko Senda, Kosuke T. Goto, Eiichi Tajika, Ryuji Tada, Kazuhisa Goto, Shinji Yamamoto, Naohiko Ohkouchi, Nanako O. Ogawa & Teruyuki Maruoka

Osmium evidence for synchronicity between a rise in atmospheric oxygen and Palaeoproterozoic deglaciation

Nature Communications 2, Article number: 502 doi:10.1038/ncomms1507

アブストラクト

参考:氷河期(ウィキペディア) 

 

 

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