2010年

9月

08日

ステゴサウルス類についての論文

 Swiss Journal of Geosciencesにステゴサウルスについての論文がいくつか出ています。昨年、スイスAathalで開催されたステゴサウルスシンポジウムで投稿されたもののようです。

Jean-Paul Billon-Bruyat, Jean-Michel Mazin and Joane Pouech
A stegosaur tooth (Dinosauria, Ornithischia) from the Early Cretaceous of
southwestern France
DOI: 10.1007/s00015-010-0028-y アブストラクト
 フランス南西部シャラント県Cherves-de-Cognac 、前期白亜紀 (Berriasian)の地層から産出したステゴサウルス類の歯について記載しています。前期白亜紀フランスで初めてとなる同類の歯であるとともに、ヨーロッパで2番目のステゴサウルス類歯冠となります。ステゴサウルス類がこの時代ヨーロッパにも分布していた証拠となります。

Miriam Reichel
A model for the bite mechanics in the herbivorous dinosaur Stegosaurus
 (Ornithischia, Stegosauridae)
DOI: 10.1007/s00015-010-0025-1 アブストラクト
 Stegosaurus の摂食メカニズムについてZBrushという3Dソフトウェアを用いたモデルを作り、さらにStrand7というソフトウェアにより有限要素解析しています。
 歯にセレーションのあるモデル、無いモデル両方について解析していますが、頭蓋にかかるストレスはどちらも同じようなもので、大部分顎の骨にかかることがわかりました。
 また、植物もモデルを作りシミュレートすると、小枝まで齧り取る力があることがわかったとしています。

James O. Farlow, Shoji Hayashi and Glenn J. Tattersall
Internal vascularity of the dermal plates of Stegosaurus (Ornithischia, Thyreophora)
 DOI: 10.1007/s00015-010-0021-5 アブストラクト
 X線CTスキャンを用いて、Stegosaurus の背のプレートおよびアリゲーターの背の骨板の内部の特徴を調べています。
 また、体が温まったカイマンの赤外線サーモグラフィイメージングを、骨板と体の他の部分の血流を比較するために用いています。
 ステゴサウルスのプレート基部には複数の大きな開口部があり、内部に向かい枝分かれしてさらに血管と思われる区域につながり、表層部の網目状の部分まで続きます。
 アリゲーターの骨板も同様の内部の血管を示します。アリゲーターの骨板は鎧として、また地上移動の際に背を硬くするのに役立つが、温まったカイマンの赤外線画像から示唆されるように、骨板内の血管は、骨板のカルシウムを卵殻のもととしたり、乳酸隔離のサイトとしたり、外部環境との熱交換の可能性を示している。装盾類の骨板も同様に複数の機能があっただろう。Stegosaurus のプレートの潜在的な熱交換の役割は、プレート内部や外部近くの血管、プレートの大きさ、薄い断面、交互に並んでいることなどから、他の装盾類より大きかったかもしれない。

Kenneth Carpenter
Species concept in North American stegosaurs
DOI: 10.1007/s00015-010-0020-6 アブストラクト
 Hesperosaurus mjosi が有効な属種か近年疑問が投げかけられていることについて再検討し、結論としては独自の分類群としています。

リンク

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