中国、遼寧省から産出した新標本に基づく、Philydrosaurus(双弓類、コリストデラ類)の 骨学および個体発生

中国遼寧省から産出したコリストデラ類、モンジュロスクス科の Philydrosaurus の新標本に基づき、詳細な記載および幼体から成体になる過程で頭蓋プロポーションの変化がおきることを明らかにしています。

ハイライト:

・私たちは、熱河生物群の重要な構成要素として、Philydrosaurus の詳細な記載を提示する。

・私たちは、この分類群の個体発生の変化を検討し、議論する。

・新しい情報が、この化石分類群の頭蓋に関する知識を向上させる。

・Philydrosaurus は、個体発生上、頭蓋プロポーションの劇的な変化を被った。

・上側頭骨トラフおよび閉じた下側頭窓は、幼体・成体両方に知られる。

アブストラクトほにゃ訳

 コリストデラ類は、ジュラ紀中期から中新世にかけて北半球の淡水系をかつて占めていた、絶滅双弓類爬虫類の一グループである。中国、遼寧省産の、白亜紀前期のモンジュロスクス科、Philydrosaurus は、 コリストデラ類の進化の中で、(クロコダイル様の)幅広い吻部から、(ガビアル様の)細長い吻部の過渡的な形態型を示している。白亜紀前期、Jiufotang (九仏堂)層から産出した、この分類群の新標本には、不完全な頭蓋とほとんど完全な幼体骨格が含まれる;これらの標本の研究から、この過渡的なモンジュロスクス科の頭蓋および骨格の個体発生的変化に関する新情報がもたらされる。頭蓋底において、頸動脈内孔は、副蝶形骨の狭窄した外側面に外側した溝に開く。この孔の腹側露出は、Champsosaurus とは異なっているが、そちらでは副蝶形骨/翼状骨の癒合は、完全にその管を囲んでいる。後頭部では、迷走神経孔は基後頭骨を貫通するが、舌下神経のための2つの孔は、外後頭骨/基後頭骨縫合に開孔している。新しい幼体標本を成体の Philydrosaurus と比較研究すると、このモンジュロスクス科の頭部および頭部より後方の骨格に、これまで知られていなかった発達上の変化が、明らかになる。個体発生上、Philydrosaurus は頭蓋のプロポーションの劇的な変化を被ったが、それには前眼窩および後眼窩領域の伸長、辺縁歯の大幅な増加を伴う顎の伸長が含まれる。下側頭窓は、大きな、完全に成長した成体のように、個体発生の初期に全く閉じている。

Ke-Qin Gao, Chang-Fu Zhou ,Lianhai Hou, Richard C. Fox.(2013)

Osteology and ontogeny of Early Cretaceous Philydrosaurus (Diapsida: Choristodera) based on new specimens from Liaoning Province, China

Cretaceous Research Volume 45, October 2013, Pages 91–102

http://dx.doi.org/10.1016/j.cretres.2013.08.003

アブストラクト

 

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