2013年

12月

21日

軟組織のとさかをもつ、ミイラ化したカモハシ恐竜

 これまで、その部分に骨化石がないため、無いものとして復元されていたエドモントサウルスの頭部に、軟組織のとさかがあったことが明らかになりました。

 発見された標本は、カナダ、アルバータ州の中西部、Grande Prairie市から75㎞西、Red Willow河にあるワピティ層河川堆積層露頭から産出しました。産出層より2m上の火山灰層の年代は、アルバータ州南部のホースシューキャニオン層ドラムヘラー部層と同年代である、7258±90万年前とされています。ワピティ層は当時北緯65度と推定される白亜紀後期の高緯度生態系を表しているものです。

軟組織のとさかが付いたEdmontosaurus regalis 復元画。©J. Csotonyi
軟組織のとさかが付いたEdmontosaurus regalis 復元画。©J. Csotonyi

論文ハイライト

・軟組織の頭蓋稜が Edmontosaurus regalis に記載された。

・ニワトリの鶏冠(とさか)に類似した稜は、おそらく性的ディスプレイの構造物だった。

・肉質の鶏冠が、白亜紀末のいくつかのハドロサウルス科恐竜では骨質の稜のかわりとなった。
 

軟組織が保存される Edmontosaurus regalis 記号Cが鶏冠構造
軟組織が保存される Edmontosaurus regalis 記号Cが鶏冠構造

要旨
 現生脊椎動物の中では、軟組織は、運動から性的ディスプレイに至る活動に重要である、不安定な付属物(鶏冠、肉垂、吻部)を担当している。しかし、軟組織はほとんど化石化せず、このような軟組織の付属物は、恐竜を含めた多くの絶滅動物群で知られていない。ここで私たちは、カナダ、アルバータ州、白亜紀最末期 Wapiti 層から産出したハドロサウルス科恐竜 Edmontosaurus regalis の著しくミイラ化した標本を報告するが、それには立体的な、全て軟組織で構成された頭蓋稜(または鶏冠)が保存されている。これまで、ハドロサウルス科ランベオサウルス亜科恐竜の稜の機能は、発声時の共鳴室の役割をしている、肥大した鼻腔に集中していた。Edmontosaurus における肉質の鶏冠は、最も可能性の高い、社会的シグナルあるいは性的選択に関連する、別の説明が必要となる。この発見は、恐竜における奇妙な、軟組織の信号構造の初の展望をもたらし、社会的行動の追加証拠をもたらす。ハドロサウルス亜科内の稜の進化は、白亜紀末の骨質の稜の二次損失で明らかに絶頂に達した;しかし、新標本は、Edmontosaurus では頭蓋装飾は実際には失われたのではなく、肉質のディスプレイ構造に置き換わったことを示している。また、視覚的ディスプレイがハドロサウルス亜科の進化に重要な意味をなしたことを意味し、他の恐竜の中で同様な軟組織構造の可能性を高める。

リンク

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