2015年

12月

30日

恐竜博2016 見どころ発表

 

 国立科学博物館で3月8日(火)から6月12日(日)まで開催される、「恐竜博2016」の注目展示が決定されました。パンテオンでもこれを紹介します。

やはり、スピノサウルスでしょう!

最新の研究をもとに復元されたスピノサウルスの全身復元骨格。Courtesy of The University of Chicago / photo by Mike Hettwer
最新の研究をもとに復元されたスピノサウルスの全身復元骨格。Courtesy of The University of Chicago / photo by Mike Hettwer
スピノサウルス正面 Courtesy of The University of Chicago
スピノサウルス正面 Courtesy of The University of Chicago

 スピノサウルスは、1912年、ドイツの古生物学者、エルンスト・シュトローマーによりエジプトで発見された白亜紀中ごろの大型獣脚類です。ホロタイプ標本は、これを所蔵していた博物館が第2次世界大戦中の空襲に巻き込まれたため、破壊されました。

ジュラシック・パークⅢに登場するなど、有名な恐竜ですが、その詳細は原記載以上、長い間わからなかったといえるでしょう。

 驚きの新研究が発表されたのは、2014年。モロッコで発見された新標本に基づいた研究で、これまでの獣脚類では考えられなかった四足歩行や半水中生活が明らかになりました。

 恐竜ファンには、このことは知れ渡っているでしょう。とはいえ、四足歩行復元の骨格を実際に見る。これはワクワクします。すなおに感動するもよし、脚の関節の仕方や頭骨などをじっくり観察するもよし。私は展示がスピノサウルスだけでも恐竜博2016に行きたい、1時間かけてこれをじっくり見てもいいなと思います。

スピノサウルス吻部実物化石 所蔵・写真提供:ミラノ市立自然史博物館(イタリア)
スピノサウルス吻部実物化石 所蔵・写真提供:ミラノ市立自然史博物館(イタリア)

加えて、左写真のような実物化石も展示されます。ミラノ市立自然史博物館所蔵の標本です。詳しく観察したいですね。

水中で活動するスピノサウルス(復元画) ©Davide Bonadonna
水中で活動するスピノサウルス(復元画) ©Davide Bonadonna

水中で魚を捕える光景、こんな風だったのでしょうか。想像がふくらみますね。

 

会場では、CG で再現したスピノサウルスが現代の街に出現する展覧会限定ムービーが、特設の大型スクリーンで上映されます。

最大級のティラノサウルス個体、「スコッティ」

ティラノサウルス「スコッティ」の全身 Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum
ティラノサウルス「スコッティ」の全身 Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum

 スピノサウルスが登場すれば、ティラノサウルスも登場ですよね!

 恐竜博2016では「スコッティ」と愛称がついた骨格が展示されます。

「スコッティ」は、カナダ・サスカチュワン州で1991年に発見され、1994年に発掘された個体です。その後、クリーニング作業を経て2013年に公開されました。体長12mに達する最大級のティラノサウルス標本です。科博に常設展示されている他のティラノサウルスと比べてみたいですね。

 会場は「二大肉食恐竜の全身骨格を対峙させる迫力の大型空間」になるそうです。なかなかの迫力ですね!

赤ちゃんとあなどることなかれ

パラサウロロフスの赤ちゃんの実物化石 所蔵:レイモンド・M・アルフ古生物博物館(アメリカ) © Raymond M. Alf Museum of Paleontology
パラサウロロフスの赤ちゃんの実物化石 所蔵:レイモンド・M・アルフ古生物博物館(アメリカ) © Raymond M. Alf Museum of Paleontology

 恐竜博2016では、恐竜の赤ちゃん化石、2つの標本が展示されます。大きい大人の骨格を期待していましたか?なりは小さいですが、赤ちゃん標本はとても貴重です。ここで展示されるパラサウロロフス、カスモサウルスの赤ちゃん標本は、まだ世界で1体ずつしか発見されていません。

右写真のパラサウロロフスの頭部を見ると、トレードマークの突起がまだ小さいものです。この突起の中は空洞でそこに息をとおして鳴き声をだしていたと考えられています。。パラサウロロフスの赤ちゃんの発見は、恐竜研究の最大の謎のひとつである鳴き声の研究の可能性を大きく広げました。会場では、パラサウロロフスの鳴き声も再現します。

もちろん、成長過程を知るためにも大切な標本です。ちなみに、この標本を所蔵しているレイモンド・M・アルフ古生物博物館では、"ジョー"という愛称がついています。

外部リンク レイモンド・M・アルフ古生物博物館の"JOE" (同博物館サイト)

カスモサウルスの赤ちゃんの実物化石 所蔵:アルバータ大学(カナダ) Photographed by John Ulan, © University of Alberta, Faculty of Science.
カスモサウルスの赤ちゃんの実物化石 所蔵:アルバータ大学(カナダ) Photographed by John Ulan, © University of Alberta, Faculty of Science.

こちらは約7200万年前のカスモサウルスの赤ちゃん化石。2010年にフィリップ・カリーが発見したもので、体長約1.5m、3歳と推定されています。カスモサウルスの成長過程を知るうえで貴重な標本です。

外部リンク カリー博士による標本説明動画

      (YouTube アルバータ大学)

クリンダドロメウス復元画 illustrated by Andrey Atuchin
クリンダドロメウス復元画 illustrated by Andrey Atuchin

そのほか、シベリアで発見された、羽毛状構造を備えた鳥盤類、クリンダドロメウスも展示されるようです。これも楽しみですね!

【「恐竜博2016」開催概要】
会場: 国立科学博物館(東京・上野公園)
会期: 2016 年3 月8 日(火)~6 月12 日(日)
開館時間: 午前9 時~午後5 時
(金曜日は午後8 時まで。4/30(土)~5/5(木)は午後6時まで)
※入館は閉館時刻の30 分前まで
休館日: 毎週月曜日、3/22(火)
※3/21(月)、3/28(月)、4/4(月)、5/2(月)、6/6(月)は開館
主催: 国立科学博物館、朝日新聞社、テレビ朝日
問い合わせ: ハローダイヤル 03-5777-8600
公式サイト: http://www.dino2016.jp
※今後の諸事情により、開館日、開館時間等について変更する場合がございますので公式
サイトなどでご確認ください。
【巡回情報】
北九州会場: 2016 年7 月  9 日(土)~9 月4 日(日) 北九州市立いのちのたび博物館
大阪会場 : 2016 年9 月17 日(土)~2017 年1 月9 日(月・祝) 大阪文化館・天保山
※会期は変更になる場合があります。

この恐竜展で展示予定の骨格のひとつに、チンタオサウルスがあります。もともと福島県広野町役場に展示してありましたが、東日本大震災で被災し、現在大規模な修復プロジェクトが進行中です。

この修復のために、クラウドファンディングで支援金を募集中です。発起人は群馬県立自然史博物館名誉館長の長谷川善和先生。目標額は350万円。支援は千円からできます。注目のリターンも、この恐竜展に関連して東京・大阪の地域別に素敵なものがそろっています。少しでも関心がある方は、「恐竜でフクシマを応援」サイトをご覧になるようお願い申し上げます。

リンク

恐竜パンテオン本サイト

 

グラファイトダイナソー

 山本聖士さんのサイト

 

「恐竜漫画描いてます」

 所 十三さんのブログ

 

半紙半生

 森本はつえさんのサイト