特別展「深海2017~最深研究でせまる“生命”と“地球”~」

国立科学博物館で2017年7月11日(火)~10月1日(日)の会期で開催される特別展「深海2017 ~最深研究でせまる“生命“と“地球”~」の内覧会に行ってきました。

展示のいくつかを紹介します。

なお、本展の詳細情報については、公式サイト国立科学博物館サイトをご覧ください。

クロカムリクラゲ ©NHK/ZDF/ZDFE/CURIOSITYSTREAM LLC
クロカムリクラゲ ©NHK/ZDF/ZDFE/CURIOSITYSTREAM LLC
水圧でつぶれた、「しんかい6500」用の試験耐圧穀
水圧でつぶれた、「しんかい6500」用の試験耐圧穀

「前回、2013年の(深海展)続きじゃない、全く別のコンセプトで頑張ってまいりました。その結果、ご協力をいただいた研究機関・動員した研究者の数いずれも前回の展示の倍以上になっています。その研究者達が全力投球で展示を作ってまいりました。ですから、受け取る側の方々もそれなりの覚悟で臨んでいただきたい。内容は非常に多岐にわたっており、生命と地球に関する研究、いろいろな方面の研究の切り口からの見方ができる。さらに、巨大災害も取り上げてまいりまして、減災や地震予知につながる研究も紹介しております。非常に広い範囲、多様な研究成果をお見せする展示になっております・・・」と、監修された倉持利明先生が挨拶で述べられていましたが、そのとおりでした。深海生物にとどまらず、深海と巨大災害、資源、地球環境、深海を調査する機器まで多方面の研究成果が盛り沢山に展示されています。

 

コウモリダコ
コウモリダコ

第1章「深海とは」を抜けると、第2章「深海と生物」。発光生物にはじまり、数々の標本が展示されています。残念ながら標本は光りませんが、その上には大画面で最新映像やCGが上映されています。深海ではこんなふうに光っているんだ!と実感できますよ!

 その中でも、超目玉!というべき、オンデンザメ液浸標本。全長3mだが、成体は7mになるそうだから、まだ子ども段階。深海ザメをあらゆる方向から観察できる!素晴らしい展示です。

オンデンザメ
オンデンザメ

もう一つおすすめは、大英自然史博物館で英国外では初公開のダイオウホウズキイカの腕の標本。南極海に生息する巨大イカで全長5~10mになる。全身ではないが、貴重な標本です。

ダイオウホウズキイカ腕
ダイオウホウズキイカ腕

「深海と巨大災害」から、JFASTによる地震断層のコア試料。上がレプリカで下が実際の試料です。水深7000m近い海底下を掘削し、3.11地震時の断層を発見したものです。この地層は、スメクタイトという、非常に粒子が小さい粘土で、内部に水を保持する一方で、水をとおしにくい性質を持っているとのことです。そのため地震でずれると摩擦熱で水分が膨張し、一層滑りやすくなったと聞きました。掘削した穴に精密な温度計を下ろし、温度を測定したところ、3.11から1年数か月後でも周囲より約0.3℃温度が高いことが確認されました。これは摩擦熱とのことです。

東北地方太平洋沖地震の地震断層 ©JAMSTEC
東北地方太平洋沖地震の地震断層 ©JAMSTEC

このほか、深度別の魚や甲殻類の標本、あのダイオウイカ標本や実物大模型、海底のマンガンやレアメタルなど、見どころはたくさんあります。2時間以上かけてじっくり見ることをおすすめします。

もう一つ、忘れてならないのは、図録。これは図録というより写真多めの本。監修者も、「深海の教科書」と表現していました。忘れずに買いましょう!

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リンク

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