恐竜博2019 その展示が明らかに

2019年7月13日(土)~10月14日(月・祝) 国立科学博物館で開催される、恐竜博2019の展示内容が、明らかになりました。

展示は4つのゾーンに

 恐竜博2019では、1969年のデイノニクス命名にはじまる恐竜ルネッサンスから、現在にいたる50年間の恐竜学のあゆみ、そして最前線を展望します。モンゴルから全身像が解明されたデイノケイルス、日本からむかわ竜も展示されます。恐竜学のあゆみ・最前線を4つのゾーンで展示していきます。

ZONE.1 恐竜ルネッサンス

デイノニクス 足の第2趾 (ホロタイプ標本)イェール・ピーボディ自然史博物館所蔵
デイノニクス 足の第2趾 (ホロタイプ標本)イェール・ピーボディ自然史博物館所蔵

 ここでは、1969年のデイノニクス命名以来50年間の恐竜研究の変遷を、重要標本で振り返っています。

 

 50年間の研究の流れの中には、いくつも重要なスポットがあります。1970年には、デイノケイルスが命名されました。1976年には、ジョン・オストロム博士が「鳥類の恐竜起源説を提唱。1982年、デイノサウロイド(恐竜人間)発表。1996年、最初の「羽毛恐竜」シノサウロプテリクス発見。2003年、四翼の恐竜 ミクロラプトル発表。2008年、オスが抱卵するシチパチ化石発見。2010年、世界で初めて全身の色がわかった恐竜、アンキオルニス。

 

特に注目したいのは、写真にもあるデイノニクス実骨標本。足の第2趾や右の手の甲の骨。いずれも日本初公開です!ホロタイプ標本が見られると思うと、私もワクワクします。

ZONE.2 「謎の恐竜」デイノケイルスーその全貌に迫る

デイノケイルス 全身骨格図 © Genya Masukawa
デイノケイルス 全身骨格図 © Genya Masukawa

 1965年、モンゴル・ゴビ砂漠での発見から長い間、前足しか知られていなかったデイノケイルス。学名は「恐ろしい手」を意味します。「手」以外の全身については、骨化石が見つからず、「謎の恐竜」といわれてきました。しかし、2006年~2009年、韓国隊による発掘調査により2体の化石が発見され、2014年に論文発表されました。

 本展では、デイノケイルスの頭骨や右足の実物化石さらに、全身復元骨格を世界初公開します。

 

世界有数の化石発掘地・モンゴルから 最新の研究成果

カーン(オヴィラプトル類)© Mick Ellison
カーン(オヴィラプトル類)© Mick Ellison

さらに、モンゴルから産出した最新の研究成果となる化石を展示します。

ロミオとジュリエット

 並ぶように発見された2体のカーン(オヴィラプトル類)。尾の形の違いから、オスとメスだった可能性が高く、「ロミオとジュリエット」という愛称で有名になりました。

 

・きょうだい化石

 3体のオヴィラプトル類が折り重なるようにして発見された化石です。巣のような場所で一緒に生息していた可能性が高いと考えられています。

 

・2本指の新種?

 長さ50cmにもなるカギヅメ状の指先を持ちながら植物食だったと考えられる種もいたテリジノサウルス類。現在研究中のこの新しい化石は、本来3本だった指が2本だったことから、新種の可能性が高いそうです。

 

 

ZONE.3 日本の恐竜世界ー北海道で見つかった新種!?         推定8mの「むかわ竜」、東京に初上陸!

「むかわ竜」 全身実物化石 北海道むかわ町穂別産 むかわ町穂別博物館所蔵
「むかわ竜」 全身実物化石 北海道むかわ町穂別産 むかわ町穂別博物館所蔵

 北海道むかわ町で見つかった、ハドロサウルス科新種の可能性が高い「むかわ竜」。その全身実物化石と、これらの化石を元にした全身骨格を、地元のむかわ町以外では初めて本展で公開します。

 

・「むかわ竜」が生きた恐竜世界を4Kシアターで!

「むかわ竜」やモササウルス類が生きた日本の恐竜世界を、迫力の4K

超高精細映像でお楽しみください。

 

・新知見を世界に発信! 日本のモササウルス類

「むかわ竜」が生きていた頃、海の食物連鎖の頂点に君臨していたのは、恐竜ではないモササウルス類です。国内で発見された最良・最高のモササウルス類の化石を紹介します。

  • 和歌山県で発見された、日本で最も完全度の高い全身骨格を展示!
  • フォスフォロスサウルス 海の爬虫類では初めて夜行性が確認されたモササウルス類

ZONE.4「恐竜絶滅」に迫る!

ティラノサウルス 復元骨格© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum, Sandra Foreman Photography 北海道むかわ町穂別博物館所蔵
ティラノサウルス 復元骨格© Courtesy of The Royal Saskatchewan Museum, Sandra Foreman Photography 北海道むかわ町穂別博物館所蔵

 約660 0万年前、地球に隕石が衝突。しかし恐竜は完全に絶滅したのではなく、その一部が現在も進化を続けていることが広く知られるようになりました。私たちは現代の恐竜を鳥類と呼んでいます。鳥類以外の恐竜がどのように絶滅していったのか、そして哺乳類がいつ台頭し始めたのか?アメリカ・コロラド州で見つかった新しい化石産地での発見などからわかりつつある、新仮説を解説します。

 

・「絶滅」前夜

 約660 0万年前、ティラノサウルス、トリケラトプスなど、最後の恐竜たちの生態系があった。恐竜は繁栄期の絶頂にあったのか?絶滅直前の最後の恐竜たちを紹介する。

 

・隕石衝突

 隕石衝突の影響で、中生代がどのように終わり、新生代がどのように始まったのか。その研究の最前線に迫る。コロラド州で発見されたわずか10㎝の地層(K/ Pg境界層)の中から、当時の出来事を読み解くことができる。恐竜時代の終わりを、迫力のCG映像とともに伝える。

 

・爬虫類 vs 哺乳類

 急激な環境変化で、生物多様性が激減。その状況が回復する過程で、いち早く哺乳類が台頭してきたことが、最新研究で明らかになってきた。隕石衝突以前の白亜紀には爬虫類に比べて小さかった哺乳類にも、大型種が出現するようになった。生き残った生物の化石を比較しながら紹介する。

 

開催概要

会  場 :国立科学博物館( 東京・上野公園)※巡回展はありません

会  期 :2019年 7月13日(土)~10月14日(月・祝)  

開館時間 :午前9時~ 午後5時( 金曜・土曜は午後8 時まで)

      ※8月1 1日(日)~1 5日(木)、1 8日(日)は午後6時まで ※入場は各閉館時刻の3 0 分前まで

休 館 日 :7月16日(火)、9月2日(月)、9日(月)、17日(火)、24日(火)、3 0日(月)

   ※今後の諸事情により、開館時間や休館日等について変更する場合がございます。公式サイト等でご確認ください。

主  催 :国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社

協  賛 :大日本印刷、トヨタ自動車

監  修 :真鍋 真

     (国立科学博物館標本資料センター・コレクションディレクター/分子生物多様性研究資料センター長)

学術協力 :小林快次 (北海道大学総合博物館教授) ほか

料金( 税込) : 一般・大学生1,600円( 1,400円)、小・中・高校生600円(500円) 

金曜・土曜限定ペア得ナイト券2 名1 組2,000円

※( )内は前売料金、前売券の販売は7月1 2日(金)まで

※金曜・土曜限定ペア得ナイト券は会場で当日午後5 時以降販売、2名様同時入場限定

※未就学児ならびに障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料 

その他のお得なチケットの情報は公式サイトでご確認ください

お問い合わせ:03 - 57 7 7- 8 6 0 0(ハローダイヤル) 

公式サイト : https://dino2019.jp/

 

 

ギャラリー

リンク

恐竜パンテオン本サイト

 

グラファイトダイナソー

 山本聖士さんのサイト

 

「恐竜漫画描いてます」

 所 十三さんのブログ

 

半紙半生

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